まだ息があったか!

しがない漫画家があんまり外に出れないなりに1日にあったことや思ったことの日記をつけていく。

終戦の話。

久しぶりに祖父に会いに行った。

御歳93、来月でなんと94になる。

祖父は同じ市内に一人暮らししており、自分はときどき祖父と飯を共にするため自転車で何駅か分の距離を走る。

 

戦争を経験した祖父はふわっと戦時中の話をするのだが、今日はSLの話だった。

「今の人はSLをありがたそうに持ち上げるが、正直当時のSLが止まる報せにはホッとしたな。煙で前が見えないしむせるし。」

列車内も煙が蔓延して近距離の人の顔も見えないほどだったと言う。

タバコの煙が心底苦手な自分は、それに近い状況に車内で揺られながら耐えるのを想像したら嫌さが一瞬で年代を飛び超えたので「その安心はわかる。」とコメントした。

 

そしてよく話すのが終戦の話。

よくテレビドラマなどで戦争を描いたもので終盤に終戦放送が流れるとそれを聞いた直後に悔しくて泣く者などが出るがありゃ無かったと言う。

当時のラジオなんてそんなにクリアに聞こえんのでその場のみんなで聞いてはいたが音声がしゃがれて何を言ってるのか正直わからなくて、聞こえてた人が口頭で「負けたんだって、戦争終わったってさ!」と広め「負けたか〜!」とホッとしたんだそうな。

 

いつでも逃げられるようにと靴を履いて寝る日々、敵機に見つからないようにと夜に電気を点けられなかった日々が終わるのか〜!と本当に胸をなでおろしたと祖父は語る。

写真屋だった祖父は学生の修学旅行のカメラマンとして様々な場所に付き添っていたらしく、旅行も個人的に撮影する写真も趣味だったそうなので終戦直後の風景も残そうとしたのか原爆ドームの写真も当時のまんま家に残っている。

 

そんな祖父とは一昨年映画「この世界の片隅に」を観に行ったのだが、この辺は本当に懐かしくリアルだったそうだ。呉の風景がそこにあったと。

膨大な下調べや資料あつめなどなどこうの先生と片渕監督がなさったゆえの言わずと知れた大作であるが未視聴の方はNetflixなどで是非観ていただきたい。

戦争の悲惨さはしっかりしてるけどそれより生活感や人間のやりとり、すずさんの色気などなど魅力はたっくさんあります!

(ドラマはノータッチである。)